国民栄誉賞に対する異議・・・


 先週の日曜日から、ソフトボールの練習が開始。
8名が参加だ。
半年ぶりに体を動かしたが、
ゴルフとは違い、大地を駆け回る運動により、
一汗かくのは心地よい。
今日になって、少し筋肉痛になってきた。
守谷の利根川河川敷は、風もなく寒くも無い、
穏やかで絶好の野球日和だった。
土手には菜の花の黄色が7分咲き。

グラウンドは、一昨日の雨が、程よい柔らかさを保ち、
老人チームの足腰には優しい迎え方をしてくれた。
 このところの暖かさが、北国の雪解けにも拍車をかける。
半面、雪崩や雪解け水による河川氾濫にもなる。
なかなか気候というものは、
思うとおりにならなくやっかいなものだ。

 さて、最近の国民栄誉賞乱発について、
おかしいと思うことがある。
選定基準とタイミングだ。
まず基準に合致していない受賞者が多過ぎる。
なぜこの人が、この人が選ばれるなら、あの人はどうなのか等々。
時の首相の人気取りと思われるケースが多々ある。
 内閣総理大臣表彰の一つで、
「広く国民に敬愛され、社会に明るい希望を与えることに顕著な業績があった」
と認められる個人または団体に贈られるものだ。
国民栄誉賞という仰々しいネーミングからすると、
ノーベル賞に匹敵するほどの価値あると思うのだが。
たぶんマスコミの過熱報道をみる限り、
それは日本人の共通認識と思って間違いない。
 日本国民に、敬愛されて、希望を与えて、顕著な業績、
過去の受賞者は団体含めて26人もいるが、
これに忠実に照らし合わせると、ふさわしい人は非常に限られるはず。
小生が思うには、以下の6名しかいない。
「巨人・大鵬・卵焼き」として、昭和の歴史を飾る、
「ホームラン世界記録の王」、「ミスター長嶋」、「横綱大鵬」。
「歌姫・美空ひばり」と「古賀メロディの古賀政男」。
「映画界の巨匠・世界の黒澤」。
残りは既存の総理大臣賞で充分だ。
本賞成立以前の1966年(昭和41年)に、
当時の総理大臣・佐藤栄作が創設した「内閣総理大臣顕彰」がある。
スポーツ選手まで受賞枠を広げる運用にしたら良いのでは。
 
 その受賞価値のすごさを物語る逸話がある。
通算939盗塁・世界記録達成者の福本の話。
受賞を打診され断った福本の談話がこれだ。
「そんなんもろたら立ちションもでけへんようになる」、
「呑み屋に行けなくなる」と報道された。
実際は「王さんのような野球人になれる自信がなかったという。
記録だけでなく、広く国民に愛される人物でないといけないと解釈した」
という心中を語っている。
正直な気持ちだ。
 
 次に受賞タイミング。
世界記録や金メダルを取得した直後に贈呈する事例が多い。
現在、「羽生結弦選手に国民栄誉賞を」と
内閣府が動き始めたと言われているが、
今が旬で、これからも記録をどんどん伸ばしていける逸材で、
時期尚早だ。
引退のタイミングで良いのでは。
2度の受賞辞退者の「イチロー」のコメントが示唆している。
授与を打診されたが、「国民栄誉賞をいただくことは光栄ですが、
まだ現役で発展途上の選手なので、
もし賞をいただけるのなら現役を引退した時にいただきたいです」と固辞した。

 テレビ番組の中で、国民栄誉賞のあり方について語った、
二人の意見が取り沙汰されている。
 木村太郎談。
「どんどん出すべきですよ。これ、たいした勲章じゃないんだから。
お金がかからないんですから、出したって。
(過去に遡って)出してもいいんじゃないですか」。
 マツコデラックス談。
「私が若かった頃に比べると、
ちょっと国民栄誉賞の価値は下がったかなっていうのは、すごく感じる。
だって、美空ひばりさんだって、
お亡くなりになってからじゃないともらえなかったんだよ?
それを、こんなに連発してしまって。ちょっと価値を下げちゃってない? 
羽生君だから、伊調さんだからとか言ってるんじゃないよ。
数が多すぎやしませんかっていうのは、
前々から思っておりました」。

 特に安倍首相の選定に疑問。
すでに7名で、8人目の羽生選手に着手だ。
松井秀樹のセットで長嶋茂雄が選ばれた不思議。
当時、懇意な読売の動きが噂に。
故・星野仙一氏が憤慨していた。
松井はまだ早すぎるし、長嶋は遅すぎる。
セットで受賞は長嶋に失礼だ。
小生も星野さんの意見に同感。
松井自身も辞退を考えていたというが。

 囲碁井山裕太と将棋の羽生善治
その世界では有名人だろうが、囲碁井山裕太を知っている日本人はどれほどいるのか。
受賞直後の世界戦の決勝で敗退している。
将棋の羽生善治知名度があるが、
同様に受賞直後、中学生の藤井聡太に負けている。
なんとも、締まらない話だ。
将棋界の怪物、中学生の藤井が出現している中での国民栄誉賞は、
非常に違和感を覚える。

国民栄誉賞は、内閣総理大臣表彰の一つとは別の、
もっと厳格な審査のもとで決めてもらいたい。